2018/08/30
指導者問題で
女子体操のコーチ暴力事件。当事者の選手が記者会見をしていましたが、要はコーチとの信頼関係があるから、仮に何かあってもそれは暴力ではなく、激励なんだということでしょう。それに加えて、選手はコーチに指導を仰ぎたいので、何とかコーチを復職してもらい、これまで通りに練習をしたいと懇願しています。なんせ信頼するコーチに指導を受けられないというのは選手にとっては死活問題です。これは周りが思っている以上に非常に大きい問題です。昔であれば何でもないことです。
だって選手が納得しているのだから問題ないでしょう?で終わったことでしょう。
選手自身が、このやり方でないと自分は伸びない、この人でなければダメだと思っているのではあれば、それがベストな
んですから。そこに他人が口を挟む余地はありません。
実際、僕も大学時代、恩師島岡監督の野球に憧れて、明治の門を叩いた一人です。
当時の明治は、おそらく日本一厳しい上下関係がある、理不尽な野球部だったと思います。それでも入部したのは、明治で島岡監督の元で野球がしたい、そして社会で最も必要なものを学びたいとの一心だったと思います。
それは、おそらく明治を出た先輩方、同輩、後輩達もも同じ思いを持っているはずです。
もちろん身内もそれをわかって、送り出してくれたものです。
しかし今は実にややこしい、難しい時代となりました。
確かに見ている側にも、暴力と言われる行為は気持ちのいいものではありません。
国際的な問題もあるのかもしれません。
テレビでは、スポーツを真剣にやったことのないコメンテーターが、いかにも建前論を述べています。
でもね、メダルを取るくらいのレベルで戦っている選手の世界って、そんな簡単に語れるところにはいないんです。
以前、故星野さんが、指導問題に触れて、
「このままでは指導者は全員、事なかれ主義ばかりになるぞ」と言われていたのを思い出しました。
本当に酷い一部の指導者の行為のために、本気で取り組んでいる指導者を阻害しているのかもしれません。
時代なのでしょうけど、教える側については実にやりづらい環境になってきました。
特にアマで、ボランティアでやっているいる人たちには、もうそこまでしてやる気持ちはなくなってくるでしょう。
しかしそれは、選手にとって本当に可哀想なことですけどね。